■禁忌品(きんきひん) |
以下のもの(禁忌品)が混入すると集めた古紙が再生資源としてリサイクルできなくなります。古紙の中に混入しないよう十分に注意をしてください。禁忌品かどうかわからない時は、ひとまとめにしておいて回収時に作業員の方に尋ねると良いでしょう。 |
紙類の禁忌品
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紙以外の禁忌品
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以上から分かるように、禁忌品かどうかは水に溶けるかどうかでおおよそ判断できます。 水に溶けるかどうか古紙を再生するためには、ドロドロに水に溶かして漉き直さなくてはなりません。従って、ビニールやワックスで表面を覆った紙や、感熱紙やノーカーボンのように特殊な薬品で処理した紙は、水に溶けないので再生することが出来ません。水に溶けない「不純物」が紙に混ざると品質が落ちるため、印刷用の紙(洋紙)として商品になりません。 糊は大敵不純物の代表は糊です。新聞紙には糊が使われていませんが、雑誌等の背には製本するための糊が使われいます。最近の合成糊は水に溶けにくく、しかも再生の過程で分離しづらくなっています。印刷に使用されたインク等は再生する過程で除去されるのですが、合成糊は細かい塵となって残ります。こういった低品質の再生紙は、板紙としてボール紙の裏などの目立たないところには使えますが、出来るだけ需要の高い洋紙として再生できるように努力するべきです。 紙の白さ紙の品質というと、色が白いほど高いという認識があります。最近の再生紙で作られたコピー用紙は、白色度(紙の白さ)70%程度のものが多くなりました。こういったことからも、再生紙は藁半紙のように黄色っぽいと考えがちですが、白色度と古紙配合率は関係がありません。紙は製紙する過程で漂白をするため白くなるのです。ということは、古紙100%の再生紙でも白くできるということです。逆にバージンパルプから紙を作っても、漂白しなければ白色度の低い黄色っぽい紙になります。従って、白い紙を好んで(日本人はとくに白い紙を好む)使っていても、一概に森林資源を浪費しているとは言い難いのですが、漂白剤が大量の水を汚染して環境負荷を高めていることには違いありません。 シュレッダーダスト最近のオフィスではシュレッダーから出る紙ごみが増えていますが、これは通常の方法では資源化が困難です。シュレッダーにかけた紙が再生できない第1の理由は、紙の繊維が細かく裁断され過ぎて、溶かした後に漉きあげても、1枚の紙としてくっつかないということです。第2の理由は、再生する過程でザルのような容器に入れて撹拌するときに、細かく裁断された紙はザルの網目からこぼれ落ちてしまうということです。こういった理由から、少なくとも幅10mm程度に大きく裁断されていれば再生が可能なのですが、機密保持の目的とは相反するでしょう。そのため古紙回収業者の中には、契約を結んだ顧客の事業所まで専用車に搭載した幅広シュレッダーを持ち込んで、顧客の目の前で裁断して直接回収するサービスを提供しているところもあります。現状のオフィス町内会のシステムでシュレッダーごみは回収できませんが、工夫次第で再生は可能です。 シュレッダーは最後の手段「本当にその書類はシュレッダーにかける必要があるのか?」と、見直してみて下さい。それほど重要じゃない書類は手で破きましょう。名刺サイズぐらいまで小さくしても充分再生できます。刃物で切るよりも手で破く方が紙の繊維が細かくならないので再生が容易になります。 シュレッダーダストはどうしても再生できないかシュレッダーダストでも再生できるという業者があるようですが、現実にはかなり難しいはずです。他の古紙と混ぜて再生するのであれば、シュレッダーダストも30%程度まで混入可能なようですが、無理に大量のシュレッダーダストを混入しようとすると、古紙を水に溶かして漉く過程で残滓として廃液になってしまいます。この汚水が排出されると汚泥となって河床に沈殿することになります。
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