平成12年12月26日発行

北区オフィス町内会通信

 

 代表世話人の峯でございます。北区オフィス町内会通信もお陰様で通算20号となりました。当会は1999年10月より14回の古紙回収を実施して参りましたが、その間には様々な問題に直面し試行錯誤を重ねて今日に至りました。これもひとえに会員の皆様のご協力の賜と感謝しております。

  さて、アンケートと始めとする皆様のご意見やアドバイスを積極的に採り入れて、出来るだけ柔軟に運営してきた当会ですが、現状の仕組みでは解決が難しい問題も抱えております。

オフィス町内会活動の基本的な考え方

  「回収トラックを共同チャーターして費用を割り勘する」というのが我々のオフィス町内会活動の基本です。2トン車2台を1日チャーターすると5万円かかるので、1社2千円の費用負担であれば1日に25社の会員を巡回しなければなりません。出来るだけ近隣で25社程度がまとまっていないと物理的に1日で回りきれず、1社あたりの費用負担が増えることになります。 そしてオフィス町内会は単なるゴミ回収ではありません。分別不要をうたい文句にしている回収業者もあるようですが、そうして集められた古紙はボール紙やトイレットペーパーのような紙にしか再生できません。印刷用紙やOA紙(コピー紙等)にはならないのです。古紙の分別を徹底して上質な再生紙の循環に寄与することもオフィス町内会の大きな役目です。また会員各社の従業員にとっても分別を通じた環境学習の場となり、その結果地域全体の環境意識の向上に貢献することになります。

北区オフィス町内会の問題点

  しかし現状は必ずしも理想通りには進んでいません。

  1. 北区といってもかなり広い地域に会員が散在するのでトラックが1日で回りきれない
  2. 一度に大量の古紙を排出する会員がいるとトラックが満杯になって回りきれない
  3. 分別ができない会員があると回収に手間取り回りきれない

 一つ目は北区という括りで回収日を決めているので、例えば限りなく東区に近い会員が1社だけ離れたところにあったとしても、東区の回収日には回収できないという無駄もあります。費用面では「トラックチャーター料金の割り勘」にはほど遠いものがあります。このしわ寄せは回収トラック業者に集中しています。

 二つ目はパスの問題とも関係していて、わざと1ヶ月おきにパスして古紙をまとめて出す会員がいると、回収量の予測が難しくトラックに積みきれなくなることもあります。パスは原則として認めていないのですが、回収トラックの作業員に直接現場でその月の回収を断るケースが見られたので、トラックの無駄足をなくすためにパスの連絡を事前に頂くようにしたことが裏目に出てしまいました。また、毎月大量に排出する会員とそうでない会員の間に不平等感が出てくるのではないかという心配もあります。

 三つ目は人手が足りない、面倒くさいという理由で分別そのものを放棄しているケースも見られ、オフィス町内会の存在意義自体を揺るがす問題となっています。費用や手間を節約したいという思いが先に立つのでしょうが残念なことです。これはオフィス町内会の会員を募集するにあたり、回収費用が行政よりも割安にできるという部分を強調しすぎた私の責任でもあります。事業系ゴミの回収は行政任せではなく、排出事業者自身の責任であるということを強調するつもりが、その意図が上手く伝わらなかった結果です。

北区オフィス町内会は
活動を休止します

  そこで、立ち上げ準備期間を含め20ヶ月間の活動にここらで区切りをつけて、北区オフィス町内会は今月をもって活動を休止しようと思います。しかし古紙の回収は従来通り続けていきます。具体的には全ての事務的な業務をO-netに任せることとします。その理由は、

  1. 北区オフィス町内会発足当時とは違ってO-netも組織が整いつつあり、区ごとの世話人が事務処理を代行する必要が無くなった
  2. 区ごとの括りではなく全市を横断的にスケジューリングして回収できるので、効率が上がり回収業者の収入が安定する
  3. 会員はO-netとの個別契約になるので、様々な事業形態の会員に対してもきめ細かい対応ができる

 O-netに事務処理を任せるということは、回収1回ごとに500円の事務手数料を会員個々が負担することになります。従って1回あたりの回収費用は2500円になります。北区オフィス町内会の会員にとっては実質的な値上げになります。そこで、来年3月末日までは1回2000円のままでO-netに回収して貰えるようにしました。手元に残っているチケットもそのまま使えます。これは会員の皆様が今後古紙回収に参加し続けるかどうかを検討するための猶予期間です。来年4月以降もO-netの個別会員として活動を続けるのであれば入会金は不要です。その後は1回2500円の費用負担で回収に参加できます。1月の回収からO-netの事務局にバトンタッチします。回収チケットの購入もO-netの事務局へ直接依頼してください。

オフィス町内会は一つの試金石

  北区オフィス町内会の先輩である東区オフィス町内会の大藪会長は我々の活動休止についてこんなコメントを寄せて頂きました。

「オフィス町内会は一つの試金石だと思います。顔の見える範囲は良いのですが、入会者が不特定多数になると運用が難しくなってゆくと思います。東もいずれは発展的解散になるでしょう。ならなければいけないのだと思います。活動が広がることとワイワイやることとは二律背反なのかもしれませんね。でも、1年余りの実績は消えませんし、試行錯誤したノウハウは貴重な財産になるはずです。是非、今後に生かしてください。意識の低い参加者がいるのは残念です。啓蒙は必要ですが、『事業所の自己責任』を理解できないところは、排除することもやむをえないと考えます。参加も脱会も自由ですが、参加するには責任が伴うことを十分に理解してもらう必要があるでしょう。」

大藪さん数々のアドバイスをありがとうございました。

来年はオフィス町内会の飛躍の年

 来年はオフィス町内会の飛躍の年になりそうです。目標は市内全区にオフィス町内会を立ち上げることです。O-netのシステムが機能し始めた現在、オフィス町内会の役目は活動の火付け役だろうと思います。つまり人的なネットワークを駆使してその地域にO-netシステムを導入する先駆けとなるということです。そういう意味では北区は役割を終えたのかもしれません。大藪さんが仰るように、皆様のおかげで北区に蓄積したノウハウは、O-netと共有するだけでなく、これから立ち上がる各区のオフィス町内会に生かしていこうと張り切っております。

 至らぬ世話人で皆様にご迷惑をおかけしたことを紙面を借りてお詫び申し上げます。

 良いお年をお迎え下さい。

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